金融危機時のような日本/ベッセント米財務長官の剣幕に片山財務相も植田総裁もタジタジ

米国政府から日本の政府、日本銀行へのマクロ政策の注文が厳しさを増している。ベッセント米財務長官も以前はもう少しマイルドに伝えてきたものだが、いよいよ堪忍袋の緒が切れたのか直截的な言い方になった。この光景どこかで見たような気がする。1997~99年の日本の金融危機の頃だ。米政府からひっきりなしに「どうにかしろ」という注文が相次いだ。日本が世界経済の火種として扱われたあの時代をほうふつとさせる。
原 真人 2026.09.04
読者限定
イラスト=ChatGPT(OpenAI)生成

イラスト=ChatGPT(OpenAI)生成

「リフレをやめろ」という真っ当な要求

日米の財政・金融当局トップたちが会談したのは、8月末から9月1日にかけておこなわれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれている米国ノースカロライナ州アッシュビルだった。

片山さつき財務相、植田和男日銀総裁と個別に会談したスコット・ベッセント米財務長官は、その後の記者会見やXへの投稿などでかなり辛辣に日本の経済政策を評しつつ露骨に是正を求めた。ベッセント長官側の主な発言は次のようなものだ。(太字は筆者)

「(日本はリフレ政策である)アベノミクスで大きな成功を収めた。 それを一巡させてリフレをやめるべきだ。今はタカイチノミクスだ」

ベッセント米財務長官、9月1日、記者会見で

ベッセント長官は植田総裁との会談で、過度な為替レートの変動を避けるため、健全な金融政策の策定と周知が重要だと強調した。
また、円の大幅な過小評価に対処するための日本の断固たる市場・金融政策措置を強く支持するとともに、円安が日本国内のインフレ圧力の一因となっていることを指摘した。

米財務省ホームページから

ベッセント長官の言いたいことを忖度し、凝縮して言えば、「日銀はどんどん利上げして、正常な政策金利にするまで早く引き上げろ。さもないとますます円安が進む」ということであり、「リフレ政策などというトンデモ政策を続けている余裕はない。高市政権は早くそんなものをやめ、日銀の利上げを認めてやれ」ということだろう。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、3336文字あります。

すでに登録された方はこちら

読者限定
『異次元緩和 経済敗戦と背徳者たち』選書フェア27冊のあくまで私見、ど...
読者限定
『異次元緩和 経済敗戦と背徳者たち』選書フェア in 丸善丸の内本店が...
読者限定
日銀、2%インフレ目標「到達」宣言へ/達成感なく、国民に歓迎されざる異...
読者限定
10月29日発売『異次元緩和 経済敗戦と背徳者たち』から/安倍元首相の...
読者限定
「ご心配には及ばない」高市首相の言葉は信用できるか/実はかなり心配な日...
サポートメンバー限定
黒田前日銀総裁の新著『独白』を早速完読/忖度なき書評とファクトチェック...
誰でも
皆さまへのお願い
読者限定
政治家の圧力に官僚は抗せるのか?/機能不全に陥らせた第2次安倍政権の罪...