円1弱を確定させる「高市円安」/1㌦=163円の原因は「有事のドル買い」ではない
通貨円はついに1㌦=163円台まで下落した。米国・イランの攻撃の応酬による中東情勢の緊迫が「有事のドル買い」をもたらした、と新聞やテレビは報じている。だが、いま起きているのはドル買いではなく「円売り」だ。原因は明らかに高市政権の経済政策への不信であり、いわば「高市円安」である。このままでは日本売りは止まらない。国民にとって恐ろしいのは、ここに至っても政権中枢に危機感が見えないことだ。
原 真人
2026.07.24
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歴史的な円の下落局面に
7月21日、ニューヨーク外国為替市場で1㌦=163円台をつけた。バブル経済前夜の1986年12月以来、39年半ぶりの円安水準だ。
日本のメディアはこれを「有事のドル買い」と報じている。だが、そうではなかろう。実態は円の1人負けだ。円は対ドルだけでなく、ユーロやポンド、スイスフラン、豪州ドルなどすべての主要通貨に対して安くなっている。ドルが強いのでなく、円が弱すぎるのだ。
この動きにはさまざまな理由がある。ホルムズ海峡危機に加えて、親イラン武装組織のフーシ派が中東原油の代替ルートとなっている紅海の海上封鎖を宣言したことで、エネルギー自給率の低い日本の調達問題に焦点が当たったことも影を落としている。
とはいえ、円がドル以外の通貨に対しても全面安になっている状態はすでに4年以上も続いている。原因が足元の中東情勢だけではないことは確かだ。日本のマクロ政策の欠陥が根本的に問われていると考える方が自然だろう。
下のグラフをご覧いただきたい。これは2025年10月4日に高市早苗氏が自民党総裁選で勝利した後、現在までに円相場がどう動いたかを示すものだ。主な6通貨に対して円がどのくらい下落したかを示している。