10月29日発売『異次元緩和 経済敗戦と背徳者たち』から/安倍元首相の増税延期の論理を知る
高市政権は食料品の消費税率を2年間限定で1%に引き下げる法案を国会に提出した。2年後に8%に戻せるのか、という野党の心配をよそに、高市早苗首相は「2年後には税率を確実に戻す」と約束した。だが、安倍晋三元首相の消費税増税の延期劇を経験した私たちは、首相の言葉がどれほど軽いものかを知っている。ポピュリズム政権は選挙に勝つためなら、増税がいくら必要であっても平気で前言を翻して延期する。
原 真人
2026.10.24
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「第6章 総理vs.財務省」から(以下一部を引用)
安倍と麻生の機中の攻防があった翌11月18日夜、安倍は首相官邸で記者会見に臨んだ。そこで消費税率10%への引き上げを1年半先送りして、衆院解散に踏み切る意向を表明した。
「税制こそ議会制民主主義と言ってもよい。その税制において大きな変更を行う以上、国民に信を問うべきであると考えた」
安倍は「財政再建の旗を降ろすことはけっしてない」とも言って、わざわざこんなことも述べている。「18ヵ月延期し、さらに延期するのではないかという声があるが、再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言する。(延期後の)2017年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施する」と。
「確実に実施する」と国民に断言したこの強固な公約は、1年半後、安倍本人によって、あっさり破られることになる。